歯周病の予防

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歯周病の予防について

歯周ポケットが4〜6mmの場合、中等度歯周炎との診断が下されることがあります。そんな中、厚生労働省から発表された令和4年の歯科疾患実態調査によると、「4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は、全体では47.9%で、高齢になるにつれ増加傾向」と発表されています。
確かに高齢になるにつれ、歯周病患者は多くなりますが、若い方の発症や予備軍が年々増えています。そこでより詳しく、歯周病について解説します。

 

 

歯周病とはどんな病気?

「歯」と「歯を支える組織」が炎症を起こしている状態、それを歯周病と呼びます。
歯を支える組織は歯茎部分だけではなく、歯槽骨やセメント質なども含まれます。そのため歯周病になると歯を支えられず抜け落ちることもあります。

歯周病の原因は?

歯周病の主な原因は、歯や歯茎に付着した汚れがもとで、細菌に感染することが大半です。
口腔内には常に多くの細菌が存在しているため、日常的な歯磨きが不十分で歯間の汚れが残っていると、プラーク(歯垢)が歯と歯茎の境目に溜まり、食事で得られた糖などを餌として細菌が増殖します。
また歯垢が十分に取り除かれずに放置されると、日常的な歯磨きでは取れない「歯石」となって炎症を悪化させる原因となっていきます。
その他、以下の方は歯周病リスクが高くなりますので、年齢に関わらず注意が必要でしょう。

  • 喫煙する習慣がある方
  • 栄養状態がよくない方
  • ストレスを溜め込んでいる方
  • 免疫力が低下している方
  • 妊娠中の方
  • 糖尿病を患っている方

…など。

歯周病のはどのように進行するのか?

歯周病は、そのまま放置しておくと、だんだん進行していきます。進行段階によって症状が異なるため、以下の症状に心当たりのある方は、すぐにでもご相談ください。

歯肉炎

自覚症状はほとんどありませんが、歯茎のふちが腫れていることがあれば要注意です。この時期は歯肉の溝に歯周病菌が入り込み、歯茎に炎症が起きている状態です。

軽度歯周炎

歯磨きの際に歯茎から血が出る状態がこの時期です。
炎症が進行して歯周ポケットが形成され、歯茎が腫れてプヨプヨとし始め、出血しやすくなっています。

中等度歯周炎

この時期になると、本格的に自覚症状が出ます。
歯がぐらつき、歯の根本が露出し始めることで、歯が長くなった印象を受ける場合が多いでしょう。
何もしなくても膿が出て、口臭の発生により日常生活に支障が出ることもあります。

重度の歯周炎

歯の根本が露出した状態になり、歯茎からは膿と血が持続的に出ます。この状態の時は既に炎症がさらに進行し、歯周ポケットが6mm以上になっており、歯槽骨が大きく失われ、最終的には歯が抜け落ちてしまうでしょう。

歯周病起因による身体的な影響

近年では歯周病によって歯を失うことにより、食事を摂りにくいことから栄養状態が悪化する以外にも、様々な全身の健康への影響がわかってきています。具体的には以下の通りです。

糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病

歯周病の炎症によって毒性物質が発生、それが血流にのって全身をめぐり、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の発症・悪化の可能性があります。

誤嚥性肺炎などの肺炎

日本人の65歳以上の死亡原因第3位は「肺炎」と言われており、その多くは、「誤嚥(ごえん)性肺炎」が原因です。
うまく食べ物を飲み込めず、肺に入ってしまい細菌感染を引き起こすことによる肺炎ですが、口腔内にある歯周病菌の中でも毒性を持っているものが肺に入ってしまうことで、肺炎を引き起こしたという症例が近年増えています。

アルツハイマー型認知症

「アルツハイマー型認知症」は、アミロイドβというたんぱく質が脳内に蓄積することで発症する、認知症の中でも多くを占めています。近年の研究ではこのアミロイドβが、歯周病菌の働きにより蓄積しやすくなっていることが判明しました。
また、食べ物をしっかり噛むことは脳に刺激を与えて認知症予防に繋がりますが、歯が抜けて噛めなくなることで認知症のリスクを高める原因にもなります。

不妊、早産、低出生体重児

近年海外での様々な研究で、歯周病菌を持つ妊娠適齢期の女性の不妊率は、菌を保有しない女性の3~4倍という結果が出ています。
また歯周病を引き起こす炎症物質が、子宮を収縮させるホルモンに似た作用を持っているため、歯周病菌を保有する妊婦の早産、低出生体重児のリスクが高まるとされており、早期発見・早期治療と予防が非常に重要です。

歯周病起因による身体的な影響

近年では歯周病によって歯を失うことにより、食事を摂りにくいことから栄養状態が悪化する以外にも、様々な全身の健康への影響がわかってきています。具体的には以下の通りです。

糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病

歯周病の炎症によって毒性物質が発生、それが血流にのって全身をめぐり、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の発症・悪化の可能性があります。

誤嚥性肺炎などの肺炎

日本人の65歳以上の死亡原因第3位は「肺炎」と言われており、その多くは、「誤嚥(ごえん)性肺炎」が原因です。
うまく食べ物を飲み込めず、肺に入ってしまい細菌感染を引き起こすことによる肺炎ですが、口腔内にある歯周病菌の中でも毒性を持っているものが肺に入ってしまうことで、肺炎を引き起こしたという症例が近年増えています。

アルツハイマー型認知症

「アルツハイマー型認知症」は、アミロイドβというたんぱく質が脳内に蓄積することで発症する、認知症の中でも多くを占めています。近年の研究ではこのアミロイドβが、歯周病菌の働きにより蓄積しやすくなっていることが判明しました。
また、食べ物をしっかり噛むことは脳に刺激を与えて認知症予防に繋がりますが、歯が抜けて噛めなくなることで認知症のリスクを高める原因にもなります。

不妊、早産、低出生体重児

近年海外での様々な研究で、歯周病菌を持つ妊娠適齢期の女性の不妊率は、菌を保有しない女性の3~4倍という結果が出ています。
また歯周病を引き起こす炎症物質が、子宮を収縮させるホルモンに似た作用を持っているため、歯周病菌を保有する妊婦の早産、低出生体重児のリスクが高まるとされており、早期発見・早期治療と予防が非常に重要です。

日常的に行える歯周病の予防方法(セルフケア)

歯周病の予防は、歯科医院で行うプロフェッショナルケアが最善ではありますが、日常的な活動を少し改善することでも効果があります。
以下のようなセルフケアを日常生活に取り入れ、予防に努めましょう。

食事の栄養バランスを意識する

歯周病のみならず様々な炎症は、免疫力が低いと悪化します。免疫を高めるためには、栄養バランスの取れた毎日の食事の摂取が何よりも大切。
日々の食生活が歯周病をはじめ、様々な疾患の予防につながるので、偏食は避けてバランスのよい食事を心がけましょう。

間食・おやつをダラダラ食べない

歯周病菌は、食事や飲み物に含まれる糖分を餌に増殖します。だらだらと食べ続け、時間を決めずにちょこちょこつまみ食いをして、歯を磨かず放置することで、歯周病菌が住みやすい環境を作ることになってしまいます。
食べるタイミングをきちんと決め、食べた後にきちんと歯磨きをすることをおススメします。

禁煙を試みる

喫煙は感染に対する身体の抵抗力を弱めてしまい、歯茎の炎症を抑えにくくし、血流を悪くするために歯茎からの出血に気付きにくくなるなど、歯周病を悪化させるリスクがあると明らかになっています。
歯周病にかかる危険性は1日10本以上の喫煙で5.4倍、10年以上喫煙を続けると4.3倍に上昇し、重症化しやすくなるとされていますので、禁煙は歯周病予防には有効的です。

歯磨きの後に、鏡でチェック

正しい磨き方が身に付いていないと、磨き残しがある場合があります。「歯磨きは右下の奥歯から順番に」などの自分の中でのルールを作り、小刻みに時間をかけて磨くことが大切です。そして歯磨きが終わったら鏡で磨き残しがないか、しっかりチェックするようにしてください。

食後は必ず歯磨きをする

上でも述べましたが糖分が歯周病菌の餌になり、食後の菌の増殖に繋がります。歯磨きを習慣化することで、歯周病菌の増殖を抑制しましょう。
もし歯磨きが難しい環境の場合は、うがいをし、菌の増殖を防ぐのに効果的なマウスウォッシュを使うなどして、大まかな汚れだけでも落としてください。

デンタルフロスや歯間ブラシを併用する

歯ブラシで効果的に歯垢を落とすためにも、月に一度は新しい物に交換しましょう。磨き終わったらしっかりと水で洗い、菌が繁殖しないように乾燥させてください。
また、歯磨きだけでは落とせない汚れがあります。デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、歯と歯の間までしっかり汚れを除去してください。

歯科医院でプロフェッショナルケアを受ける

歯科医院は歯が痛くなるなど、違和感が無いとなかなか行かない方も多いでしょう。ですが、治療だけでなく歯科検診を受診することで、お口の健康のプロによる口腔内の疾患の「予防」や「早期発見」に繋がります。

かかりつけの歯科医院を決める

ご自身が通いやすい、かかりつけの歯科医院をまず見つけて、歯科医院が勧めるタイミングで歯科検診を受けましょう。目安としては少なくとも半年に1回程度、検診を受診してください。自身では気づけない口内の変化や異常も、歯科医師なら気づいてくれるでしょう。

定期的に歯垢・歯石を除去する

日常的に歯磨きをしていても、取りきれていない歯垢があります。その歯垢が蓄積することで歯石になってしまい、歯石になってしまうと、歯科医院での専用の器具を用いなければ除去できません。
歯石が貯まってしまう前に、定期検診時にプロの手で除去してもらってください。

ブラッシング指導を受ける

歯科医院では、歯科衛生士によるブラッシング指導を行っており、もちろん当院でもお気軽にご相談いただけます。
ご自身に合った歯ブラシの選び方から、正しい歯磨きの方法、歯間ブラシ・デンタルフロスの活用方法など、プロの視点でのアドバイスをもらうことで、日々のセルフケアもより効果的になります。